モンテディオプレスぷらす「岡本一真選手インタビュー」【後編】
【後編】【モンテディオ山形】「頭の中の90%はサッカー」DF岡本一真。怪我との闘いを経て、山形で見つけた「脱力」
「あまりしゃべらない」という定評を覆し、1時間20分にわたり熱く語ってくれたモンテディオ山形・岡本一真選手のインタビュー。
前編では、Suicaを片手に電車で練習に通った「サッカーが好きすぎた」幼少期のエピソードや、ユースに上がれなかった挫折について迫った。
後編となる今回は、覚悟を持って進学した高校時代からプロ入りへの道のり、「頭の中の90%を占める」というサッカーへの熱過ぎる思いなど、ピッチ外の素顔も明らかになる。
(取材日:2026年4月22日、写真は明治安田J2・J3百年構想リーグ戦より)

プロへの切符と怪我との闘い。細貝萌選手からの学び
Q:前橋育英高校へ進学後、高校時代はどうでしたか?
1学年50人くらいの選手がいるような環境で、高校生は体もプレー強度も全然違って、はじめはめちゃめちゃ怖かったです。でも「やれるな」という感覚がありました。冬の選手権では1年生で唯一メンバー登録されました。出たのは国立競技場での開会式の行進だけだったんですけどね(笑)。2年生からは主力として試合に出ることができました。ただ、中学からずっと怪我が多くて、高校でも3年の終わりは肉離れしてしまって。最後の選手権は「プロ内定選手」として紹介されながらも、痛みを抱えながらプレーし、フル出場は1回戦のみ。チームは全国8強まで進んだものの、自分の中ではあっけなく終わってしまいました。

Q:高校卒業後、プロ(ザスパ群馬)入りを果たしました。
大学進学も考えていたんですが、当時の高校の監督に「プロに行きたいです」と伝えたら、つながりのあるザスパの練習に参加させてもらえました。大学に行って必ず成功する保証はないし、早くプロの世界に飛び込んでプレーした方が成長できると思ったんです。
Q:プロ1年目はいかがでしたか。
1年目はずっと肉離れが癖になってしまって。キャンプからずっとリハビリでだいぶ苦しみました。でも、自分が入った年にちょうど代わった大槻毅監督が若手を使ってくれる監督だったので、治ってから天皇杯などで起用してくれたのは大きかったです。
Q:群馬時代に、尊敬する選手ができたと伺いました。
細貝萌さん(現・ザスパ群馬代表取締役社長)です。日本代表とかドイツとかいろんなところでキャリアを重ねてきても、ザスパでプレーしている時もすごく謙虚で、リスペクトがあって。面倒見もいいし、サッカーもうまいし、本当にかっこいい。尊敬しています。
もっと上に行くための決断。山形でつかんだ「脱力」という感覚
Q:群馬2年目はリーグ戦30試合出場4ゴールと結果も出した中で、モンテディオ山形に移籍したのはなぜだったんですか?
山形はJ2でも上位にいるクラブで、やっているサッカーが楽しそうでした。オファーをいただいた時、「ここでプレーしてみたい」「自分がもっと成長できそう」と思ったんです。
Q:その山形で、けがでの離脱も多かった1年目から一転、昨季は4ゴール、そして今季は安定して試合に出続けています。怪我の克服のために取り組んだことはありますか?
食事と睡眠ももちろんそうなんですけど、客観的に自分を分析して、トレーニングの量だったり、やり方だったりも変えました。あとは自分の意識の問題ですね。「出力を出し過ぎない」というか。全部が全部力んでやっていても、相手に(動きが)バレバレになってしまいますし、脱力して力を抜いてやるところも必要だなと。これだけ怪我してきて今更かって思うんですけど(笑)、それを考えるようになりました。
Q:その「脱力」に意識が向くようになったきっかけは何だったのでしょうか?
去年の夏ぐらいから意識し始めて、そこから怪我をしていないので、それが結構いいのかなと思っています。怪我でもがいて試行錯誤していく中で、いろんなトレーナーさんにもお会いして色々試しました。その全員のお話の中で共通していたことがあって、それがまさに「脱力」に近いなと思ったんです。それを取り入れてみたら、結構自分にフィットするというか、そんな感覚でした。

頭の中の90%はサッカー。憧れる選手はジョアン・カンセロ
Q:サッカーへの熱量が本当にすごいですが、オフの日は何をしていますか?
だいたい一人で、基本、家で寝ていることが多いです(笑)。出掛けるとしたら、カフェで本を読んだり、映画を見たりしますね。好きな作家は東野圭吾さん。映画は最近「名探偵コナン」の最新作を見ました。YouTubeでヒカルさんの動画も見ます。
Q:サッカーの動画も見ますか?
見ますよ。最近はドリブルを学べる動画を見て、実際に練習しています。今って4バックじゃなくて3バックのチームが多いじゃないですか。自分がウイングバックで出るとなったら、攻撃も守備も両方できないと生きていけないんで。ゴール前でドリブルでシュートまで持っていくとか、クロスをやり切るとか、そういうことを武器にしたいなと。以前は自分で「剥がす」ことはあまり意識していなかったんですが、最近はそこにもチャレンジしています。
Q:理想のサイドバック像はありますか?
ジョアン・カンセロ選手(ポルトガル代表)ですね。上を見ればクオリティーが高い選手や何でもできる選手がいっぱいいるので、これまでできなかったこともどんどん武器にしていきたいなと思います。
Q:それだけ考えていると、普段からイメージトレーニングなどもするんですか?
結構しますね。家にいてぼーっとしている時とか、寝る前とかに、頭の中で試合のシチュエーションを考えるんです。「こう来たらこうする」とか何度もイメージしているので、いざ試合でその場面が来た時に、自然と体が動くというか、ボールを見なくてもできるみたいな感覚になることがあります。
Q:頭の中で、サッカーが占める割合ってどのくらいですか?
うーん、90パーセントですね。自分の人生をさかのぼっても、ずっと「90」だと思います。ずっと考えています。オフはオフで切り替えますけど、こんなに熱中できるのはサッカーだけです。

温かい「一つの独立国」。ここ山形から世界で活躍する選手へ
Q:ここ山形という土地の印象はいかがですか?
人が温かいですね。山に囲まれていますし、なんかちょっと他と離れた地域というか、街全体がサッカーで盛り上がれる「一つの独立国」みたいな感覚があって好きです。
Q:最後に、今後の夢と、サポーターへのメッセージをお願いします。
今後の夢は、世界で活躍できる選手になることです。まだまだ全然完成されていない、途上だと思っています。その確かな一歩を、ここ山形できざみたいです。
山形のサポーターの皆さんは、どんなに負けたり良くない時でも変わらず前向きな声をかけてくれます。それがモチベーションになりますし、「この人たちのために」勝ちたいと奮い立つ感覚になります。一緒にブルイズ(勝利の歌)を歌える瞬間が最高です。これからも変わらずに応援してもらえたら嬉しいです。
〈これまでのプレスインタビュー〉
◎岡本一真選手【前編】(2026.05.09掲載)(リンク:https://yamagatadoor.com/montedio/1441)
◎寺山翼選手(2026.04.11掲載)(リンク:https://yamagatadoor.com/montedio/1338)
◎南秀仁選手(2025.11.28掲載)(リンク:https://yamagatadoor.com/montedio/542 )
◎堀金峻明選手(2025.10.18掲載)(リンク:https://yamagatadoor.com/montedio/446)
◎横内昭展監督(2025.09.01掲載)(リンク:https://yamagatadoor.com/montedio/87)
◎中村亮太郎選手(2025.09.01掲載)(リンク:https://yamagatadoor.com/montedio/196)








