【連載:Yamagata Roots】第3回:「日本一」の気概で山形を応援(有限会社東船橋不動産 取締役会長・鈴木隆氏)
山形で育まれた原点が、今の支えに
「Yamagata Roots」は、首都圏など県外で活躍する本県にゆかりのある方々に光を当てる企画です。故郷の大江町から上京し、千葉県船橋市で東船橋不動産を経営する鈴木隆氏は、地域に根を下ろし、半世紀にわたって実直に事業を拡大してきました。自社ビルを利用して山形県産米のPRにも貢献するなど、地元愛を持ち続けている鈴木氏に、これまでの歩みや故郷での思い出を聞きました。
故郷での原体験と、仕事の土台
私は大江町七軒地区の出身です。小中学校時代は地元の豊かな自然に囲まれて過ごし、山の中で見たユリの花の美しさ、四季折々の風景など、幼い頃に経験したことは、不思議と記憶に刻まれています。
高校は山形南高校に進学し、その後、早稲田大学法学部に進みました。文学希望が親の怒りで断念。もし作家になっていたら貧乏していたはず。大学卒業後はトラック会社に入り、現場で品質管理を徹底的に叩き込まれました。あの時に身についた「コツコツ積み上げる姿勢」は、今でも仕事の土台になっています。
経営者への道と、東船橋での創業
その後、経営や商売の考え方を学ぶ機会にも恵まれたのはスーパーの店長を勤めた3年間で、ペガサスクラブで渥美・藪下両氏から経営理論と現場の実技を習ったことで一大変身。180名で超有名な国立大卒が数名いて競争。私もひたすら勉強して、トップで卒業した。この時の経験から「誰にも負けない」と自信を持つようになりました。そして「自分の力で成果を上げられる仕事は何か」と考え、たどり着いたのが不動産業です。約50年前、38歳で起業し、JR総武線の東船橋駅前に「東船橋不動産」を開業しました。ペガサスクラブで学ばなければ、経営を数値で表現できず、合理的な判断ができない人間になっていたでしょう。
東船橋は東京駅から電車で30分ほどの場所にあり、船橋駅と津田沼駅という大きな駅に挟まれています。この土地に根を下ろして、会社の基盤を築いてきました。

「つや姫」PRのための看板
「日本一」の気概で、故郷・山形を応援
歴史と文化が好きで、これまでに100回以上海外旅行をし、見聞を広げました。若い頃は文学青年だったこともあり、不動産関係の本も6冊出版しています。その時のペンネームは「大江隆司」。もちろん故郷・大江町から付けた名前です。
地元を離れてもう70年になりますが、山形の農産物を応援したいという思いから、総武線沿いにある自社ビルの外壁に、自費で「つや姫」をPRする大きな看板を出しています。誰に頼まれたわけでもありませんが、首都圏の方々に山形のお米を知ってもらうきっかけになればと考えたのです。昨年の山形県人東京連合会総会で感謝状もいただき、少しはお役に立てているのではないか、と自負しています。
山形は、実際はどの県にも負けない、日本一の県だという気概を持って、これからも首都圏から山形のことを大いに発信し、盛り上げていきたいと思っています。
【コラム:ふるさとの思い出】
幼い頃に地元・七軒で見ていた景色は、強く記憶に残っています。秋にはモミジが山を真っ赤に染め、月布川の流れがきらきらと輝いて見えました。今も故郷の愛宕山や月布川を描いた風景画を自室に飾り、それを眺めて昔を懐かしんでいます。当時はどこの家庭も大家族で、山の中でも自給自足の生活ができました。今はもうそういう暮らしは難しくなり、かえって不便になっているのかもしれないですね。
■プロフィール
有限会社東船橋不動産 取締役会長 鈴木 隆氏
すずき・たかし 1939年大江町生まれ。山形南高校、早稲田大学法学部卒。自動車メーカー、自動車販売会社、小売業界、不動産のデベロッパー等を経て、38歳で独立し東船橋不動産を創業。
有限会社東船橋不動産
千葉県船橋市東船橋1丁目37-7
https://www.chintai-center.co.jp/








