【連載】山形の中小企業のM&A④

2026.04.24

「後継者がいない」「人手が足りない」。いま、山形県内の多くの経営者が抱えるこの悩み。その解決策として、M&A(企業の合併・買収)が当たり前の選択肢になりつつあることをご存じでしょうか。

山形新聞社とM&Aキャピタルパートナーズ(MACP)が共同で進める「地域共創プロジェクト」。本連載では、MACP企業情報部の古澤凱斗さん(天童市出身・山形市立商業高校卒)が、データと実例を交えて山形の中小企業がとるべき戦略を解説します。


【vol.4】従業員の未来を託すためのM&A ~雇用と待遇の維持向上を目指す選択
(2026年4月掲載)

M&Aキャピタルパートナーズの調査によると、買い手企業の選定において「従業員の雇用や待遇の維持向上」を重視した経営者が52.4%と最多でした。M&Aを検討する際、従業員の未来は最重要事項の一つです。後継者不在の課題を解決しつつ、従業員への思いから、M&Aを決断したウェディングドレスレンタル会社の実例を紹介します。

働きやすい環境と事業成長を両立
「もっと安く、高品質を」との思いから創業したウェディングドレスレンタル会社は、顧客の要望に応え事業を拡大してきました。しかし多忙を極め、従業員の負担が増加。オーナーは「従業員が働きやすい会社にしたい」と反省し、社内託児所の設置など福利厚生を充実させました。その後、後継者不在の課題解決と、従業員により良い環境で働いてもらうため、事業成長と雇用維持を両立できるM&Aを決断しました。

価値観が合致するパートナーへの譲渡
譲渡先に選ばれたのは、結婚式プロデュースなど総合的なブライダルサービスを手がける企業でした。ドレスレンタル機能を内製化したいという譲渡企業と、双方のニーズが一致。何より「従業員を大切にする」という経営理念がマッチしたことが決め手となりました。M&Aによって、譲渡企業の従業員たちは大手企業のグループに入り、充実した待遇のもとで安心して働き、未来へ歩める確固たる体制が整えられました。

従業員の未来を 思い描くM&A
自らが築き上げた事業を、従業員の未来のために他社へ託すことは、経営者としての深い愛情が込められた選択です。大きな企業の傘下に入ることで安定経営を実現し、従業員を守りながら事業の発展を目指す経営者は増加しています。従業員の未来を守る有効な手段として、M&Aという選択肢があることをぜひ知っていただきたいです。

【筆者プロフィル】
古澤 凱斗さん:M&Aキャピタルパートナーズ企業情報部 主任
天童市出身。山形市立商業高校―明治大学商学部卒。大手証券会社にて富裕層・法人向けの資産運用・M&Aアドバイザリー業務を経験後、家業の事業承継を契機にM&A専門アドバイザーとして当社に入社。山形・東北を中心に、メーカー、商社、IT、自動車、観光業界など幅広い分野でM&A支援実績を有する。

【事業承継・M&A ご相談窓口】
山形新聞社広告局「地域共創プロジェクト」係
TEL: 023-622-5274 (9:00~17:00)
https://www.yamagata-np.jp/ad/macp/


この扉の向こうに、新しい山形を発見。