【連載】「山形の中小企業の M&A」vol.8【事業承継と成長の新たな選択肢】
「後継者がいない」「人手が足りない」。いま、山形県内の多くの経営者が抱えるこの悩み。その解決策として、M&A(企業の合併・買収)が当たり前の選択肢になりつつあることをご存じでしょうか。
山形新聞社とM&Aキャピタルパートナーズ(MACP)が共同で進める「地域共創プロジェクト」。本連載では、MACP企業情報部の古澤凱斗さん(天童市出身・山形市立商業高校卒)が、データと実例を交えて山形の中小企業がとるべき戦略を解説します。
【vol.8】事業承継と成長の新たな選択肢 ―次世代へ繋ぐ成長戦略としてのM&A
(2026年5月掲載)
会社を売却した経験がある代表取締役105名を対象に、事業承継に関する実態調査を行ったところ、7割以上がM&Aの支援機関を利用し、8割超がM&Aによる事業承継に満足していると回答しました。後継者問題の解決や事業成長の手段として、M&Aが広く認知されつつあることがうかがえます。今回は、上場準備中に方針転換し、会社の持続的な発展のためにM&Aを選択した写真スタジオ企業の実例を紹介します。
成長の限界を超え最適な承継へ転換
現像店として創業した企業は、時代の変化を捉えてフォトスタジオへ事業転換しました。従業員の人生設計のために成長し続ける組織でありたいという創業者の想いから、全国に100店舗超を展開する規模へと成長を遂げました。そして、次世代への承継を見据えて上場準備を進める中で葛藤が生まれ、創業者は「会社が最も健全に成長できる方法は何か」を自問。その結果、ブランドと社員を守り、未来へ託すための最善策としてM&Aを決断しました。
理念を共有できるパートナーとの提携
提携先に選んだのは、エンターテインメント領域で急成長を続ける企業です。自社の事業をさらに進化させたいという創業者のビジョンと、相手企業の戦略が一致。M&Aにより、独力では時間がかかる新分野への進出を、より早いスピードで実現できる体制が整いました。経営体制やブランドを維持しつつ、グループの資本力やノウハウを背景に、成長へ向けアクセルを踏める安心感を得たのです。
未来を切り拓く前向きな選択肢
M&Aは単なる出口戦略ではなく、会社を次のステージへ進めるための前向きな一手です。上場や親族内承継など多様な道がある中で、自社の強みを客観的に把握し、それぞれのメリット・デメリットを正しく理解することが重要となります。最良の相手とタイミングを選べるよう、経営者の皆さまには、自社のさらなる発展に向けた手段の一つとして、ぜひ情報収集から始めていただきたいです。
【筆者プロフィル】
古澤 凱斗さん:M&Aキャピタルパートナーズ企業情報部 主任
天童市出身。山形市立商業高校―明治大学商学部卒。大手証券会社にて富裕層・法人向けの資産運用・M&Aアドバイザリー業務を経験後、家業の事業承継を契機にM&A専門アドバイザーとして当社に入社。山形・東北を中心に、メーカー、商社、IT、自動車、観光業界など幅広い分野でM&A支援実績を有する。
【事業承継・M&A ご相談窓口】
山形新聞社広告局「地域共創プロジェクト」係
TEL: 023-622-5274 (9:00~17:00)
https://www.yamagata-np.jp/ad/macp/







