【連載】「山形の中小企業の M&A」vol.7【外食業界が直面する経営課題とM&A】
「後継者がいない」「人手が足りない」。いま、山形県内の多くの経営者が抱えるこの悩み。その解決策として、M&A(企業の合併・買収)が当たり前の選択肢になりつつあることをご存じでしょうか。
山形新聞社とM&Aキャピタルパートナーズ(MACP)が共同で進める「地域共創プロジェクト」。本連載では、MACP企業情報部の古澤凱斗さん(天童市出身・山形市立商業高校卒)が、データと実例を交えて山形の中小企業がとるべき戦略を解説します。
【vol.7】外食業界が直面する 経営課題とM&A~持続的な成長とブランド継承の一手
(2026年5月掲載)
帝国データバンクによると、2025年の飲食店経営事業者の倒産は過去最多を更新しました。食材費の高騰や人手不足が利益を圧迫する中、外食業界は極めて厳しい局面にあります。こうした環境下で、M&Aは単なる事業承継の枠を超え、企業の存続と成長を支える重要な戦略的選択肢となっています。今回は、地域に愛されたブランドを次世代へつなぐためにM&Aを決断した、地方にある回転ずし店の実例を紹介します。
地域に根ざした店舗を次世代へ繋ぐ決断
20年にわたり回転ずし店を経営してきた企業は、ファミリー層を意識した店づくりで地域住民に親しまれてきました。しかし近年、仕入れ環境の急変や深刻な採用難に加え、社長自身の体調不安という課題が浮上。売上が過去最高を記録する好調な時期だからこそ、社員の雇用を守り、ブランドを確実に引き継ぎたいと考えた社長は、将来を見据えて信頼できるパートナーへのM&Aという道を選びました。
理念を共有する提携 強みを活かした成長
譲渡先に選ばれたのは、地域を中心に出前専門店を広く展開する企業です。互いに「食文化の継承」という使命で共鳴し、早期の合意に至りました。譲受側は店舗名や雇用を維持しつつ、自社の調達力や物流網を活かしたシナジーを追求。一方、譲渡側も独自の仕入れルートを提供することで、互いの弱みを補完し合う関係を築きました。M&Aは単なる経営のバトンタッチではなく、双方の強みを融合させる成長戦略となりました。
企業の価値を守る最善の選択肢として
外食業界の環境が厳しさを増す中、M&Aは会社を次の成長ステージへ進める有効な手段です。企業の強みを守り、パートナーのリソースと結びつくことで、独力では困難な課題も解決可能になります。業績が健全なうちに検討を始めることが、最良の相手と巡り合う鍵となります。将来の発展に向けた一歩として、M&Aという選択肢があることを、経営者の皆さまにはぜひ知っていただきたいです。
【筆者プロフィル】
古澤 凱斗さん:M&Aキャピタルパートナーズ企業情報部 主任
天童市出身。山形市立商業高校―明治大学商学部卒。大手証券会社にて富裕層・法人向けの資産運用・M&Aアドバイザリー業務を経験後、家業の事業承継を契機にM&A専門アドバイザーとして当社に入社。山形・東北を中心に、メーカー、商社、IT、自動車、観光業界など幅広い分野でM&A支援実績を有する。
【事業承継・M&A ご相談窓口】
山形新聞社広告局「地域共創プロジェクト」係
TEL: 023-622-5274 (9:00~17:00)
https://www.yamagata-np.jp/ad/macp/







