太平堂不動産presents
【特別鼎談:完全版】「山辺を継ぐ。」地域の価値を、未来へ。
「山形を継ぐ。」
この言葉を企業パーパスに掲げる山形市の太平堂不動産が、この春、創業の地・山辺町で地域の価値に光を当てる新たな試みをスタートさせました。
その第一弾となるのが、山辺から世界に発信を続けるニットの老舗「米富繊維」とコラボレーションしたオリジナル制服「Taiheido Crew Wear(クルーウェア)」の導入です。
なぜ今、不動産会社が「地域の価値」に重きを置くのか。単なるユニフォームの刷新ではなく、地域の価値をどう未来へ継いでいくのか。
本記事は、山形新聞紙面に掲載された鼎談(ていだん)企画の熱量をすべて盛り込んだ「Web限定・完全版」です。共に3代目となる太平堂不動産の武田貴義社長と米富繊維の大江健社長、そして町づくりの先頭に立つ安達春彦・山辺町長が、伝統を未来へ「継ぐ」ための思いとビジョンを熱く語り合いました。

(左から)大江健氏(米富繊維株式会社 代表取締役)、安達 春彦氏(山辺町長)、武田貴義 氏(株式会社太平堂不動産 代表取締役)
【鼎談参加者】
安達 春彦 氏(山辺町長)
大江 健 氏(米富繊維株式会社 代表取締役)
武田 貴義 氏(株式会社太平堂不動産 代表取締役)
なぜ、「Taiheido Crew Wear」だったのか。「山形そのものを着る」制服に込めた100年企業への決意
Q. まず武田社長に伺います。今回の取り組みのきっかけを教えてください。
武田:弊社は山辺町で創業し、今年で57年目を迎えます。私で3代目となり、100年企業を目指す折り返し地点を過ぎた今、単なる不動産仲介業を超え、地域の付加価値を磨き発信する力になりたいと考え、「山形を継ぐ。」を企業パーパスに掲げました。
ただ、それは単に昔からあるものを守るという意味ではありません。山形には全国に誇れる技術や文化、人の営みがあります。しかし地元にいると、その価値を当たり前に感じてしまうことも少なくありません。だからこそ、自分たち自身がまず地域の宝や価値を理解し、誇りを持ち、それを未来へ継いでいく存在でありたいと考えています。
Q. その想いを形にする方法として、なぜ制服(ウェア)を選ばれたのでしょうか。
武田: 社員自身がどうすれば地域の価値を行動で示せるかと考えたとき、まず思い浮かんだのが毎日身に着けるものでした。
ユニフォームは単なる仕事着ではありません。毎日袖を通すものだからこそ、そこに私たちの価値観や地域への姿勢が表れると思っています。着用は自由ながらも統一感を出せるクルーウェア。今回の取り組みは単に「山形で作られた服を着る」ということではなく、私たちにとっては「山形そのものを着る」という感覚に近いんです。
せっかくなら全国に誇るものづくりを続ける方々とご一緒したい。そう思った時に、自然と真っ先に頭に浮かんだのが、創業の地である山辺町で長年ものづくりを続けてきた米富繊維さんでした。山辺で育まれた技術や歴史、人の想いを身にまといながら働く。その積み重ねが、「山形を継ぐ。」という言葉を形にしていく第一歩だと思っています。

大江: お話をいただき大変光栄でした。これまでプロスポーツチームの公式ウェアなどは手掛けてきましたが、県内民間企業からのご依頼は初めての経験です。
私たちが作った服が、働く人の満足度を高め、地域のストーリーを伝える一助になる。今回のコラボレーションは、弊社にとってもニットの可能性を広げる新しいチャレンジになりました。
山辺町には、どんな価値があるのか。数字では測れない豊かさと、絶妙な「サイズ感」
Q. 改めて、皆さまが感じる山辺町の魅力を教えてください。
安達: 山辺町には、素晴らしい「魅力」と「美力(みりょく)」がたくさんあふれています。しかし、素晴らしい価値がありながら、まだ十分に知れ渡っていないというもどかしさもあります。
だからこそ町では役場に「美力発信課」を創設し、こうした町の価値を外へ届けていく取り組みを進めています。私自身もトップセールスマンのつもりで、山辺町の価値を発信していきたいと思っています。
武田: 私は毎朝の散歩をルーティーンにしていますが、その時間は地域の変化や空気感、人の温かみといった魅力を感じる大切な時間でもあります。春夏秋冬の景色、人との何気ない挨拶、町に流れる穏やかな時間。そうした日常に触れるたびに、山辺町には数字だけでは測れない豊かさがあると感じます。
派手さはないかもしれませんが、人と人との距離が近く、丁寧に暮らしが積み重ねられている。私はそうした山辺らしさに大きな魅力を感じていますし、この良さを多くの人に知ってほしい。大江社長や安達町長のような先輩方が、山辺を活かした事業を展開する姿を見て、自分も何か役に立ちたいと強く感じています。
大江: 山辺は「大きすぎず、小さすぎない」絶妙なサイズ感があります。ニットや絨毯(じゅうたん)、農業や食など多様な個性が凝縮されていますし、山形市に近い利便性もあります。
独自の文化が守られながらも、開かれている町なんですよね。この個性の見えやすさは、外へ発信する際の大きな強みになっていると思います。

地域の価値は、伝えなければ残らない。異業種連携とアナログなつながりが生む、新しい見せ方
Q. 今回の取り組みを通して、改めて見えてきたことはありますか?
武田: 山形には本当に良いものがたくさんあります。しかし、良いものは存在しているだけでは伝わりません。ちゃんと編集して、ちゃんと発信して、ちゃんと見える形にしていかなければ次の世代には残っていかないと思うんです。
不動産会社というと土地や建物を扱う仕事と思われがちですが、私たちは「地域の価値を伝える仕事」でもあると考えています。だからこそ、山形の宝を磨き、発信していく役割を果たしていきたいと思っています。
大江: ものづくりをしていると、どうしても作ることに集中してしまいます。しかし今は、それをどう社会へ届けるかまで考えなければいけない時代です。
今回のように異業種が一緒になることで、新しい価値の見せ方が生まれることは非常に面白いと感じています。私たちにとっても、服を通じた新しい発信の形に気づかされました。
安達: 今の時代、デジタル化ももちろん重要です。しかし、今日のように経営者同士が顔を合わせ、膝を突き合わせて語り合うような「アナログなつながり」こそが、町の未来には欠かせないと同じくらい大切だと思っています。
行政だけではできないことがあります。民間企業や地域の皆さんと連携することで、新しい町の形が生まれていくのだと思います。今回のコラボレーションも、まさにその一つですね。
「継ぐ」とは、未来へ渡すこと。「前例尊重」で挑む、守るべき本質と変わる勇気
Q. 皆さまにとって「継ぐ」とは、どのようなことでしょうか。
武田: 私にとって「継ぐ」とは、昔をそのまま守ることではありません。不動産の仕事も同じですが、単に仲介役として右から左へ「つなぐ」のではなく、その土地の歴史や前のオーナーの想いといったストーリーを乗せ、新しい独自の付加価値を加えながら次の世代へ渡していくことだと思っています。
守るべきものを守りながら、変えるべきものは変える。そうやって未来へ継いでいくことが、本当の意味での継承ではないでしょうか。先日、東北芸術工科大でこうした私たちの思いを話したら、多くの学生が「一緒に山形を継ぎたい」と共感してくれました。その若い力こそが未来の希望です。
大江: 私たちも3代目となりますが、1952年の創業以来「ものづくり」という本質的な軸は変わっていません。ただ、発信や販売の手法は時代とともに劇的に変化しています。
「継ぐ」には、守るべき本質と、勇気を持って変えるべき部分の両方が必要です。この挑戦の連続こそが、伝統を未来へつなぐ道だと信じています。
安達: 私は「前例踏襲」ではなく、「前例尊重」でありたいと思っています。町づくりも、先人が築いた大切なものは受け継ぎながら、現代の優先順位を見極めて今の時代に必要な形へ進化させていく施策を打つ。
行政だけではできないことも、お二人のような優れたリーダーや地域の企業、皆さんと力を合わせれば実現できる。三位一体で山辺の新しい形を継いでいきたいですね。

小さな点が線となり、面となって町を彩る
Q. 最後に、この取り組みに込めた想いと、これからのビジョンをお願いします。
大江: 地域のものづくりには、まだまだ可能性があります。今回の取り組みが、その価値を知っていただくきっかけになれば嬉しいですね。
安達: 山辺町には、人の手で積み重ねられてきた素晴らしい文化があります。この対談を通して、その魅力を少しでも感じていただければ幸いです。
武田: 山辺の小さな点と点が結ばれて線になり、やがて面となって町を彩る。今回のウェアはその第一歩です。山形には世界に誇れる価値がある。だからこそ、まずは私たち自身が山辺の価値を信じ抜き、誇りを持って形にしていきたいと思います。
私たちはこれからも「山形を継ぐ。」という言葉を行動で示しながら、地域の価値を未来へ継いでいきます。「山辺を継ぐ。」という挑戦が、山形の未来を照らす光になると信じています。そして、次の世代が山形を誇れるような未来をつくっていきたいですね。
「山辺を継ぐ。」
地域の価値を、未来へ。
本日は熱いお話をありがとうございました。


太平堂不動産と米富繊維とのコラボレーションにより完成したオリジナル制服「Taiheido Crew Wear」(左)と制服を着用した従業員
※本記事は、2026年6月16日付の山形新聞に掲載された広告の完全版テキストです。








