【連載】「山形の中小企業の M&A」vol.10【医療・福祉事業の倒産増とM&A】
「後継者がいない」「人手が足りない」。いま、山形県内の多くの経営者が抱えるこの悩み。その解決策として、M&A(企業の合併・買収)が当たり前の選択肢になりつつあることをご存じでしょうか。
山形新聞社とM&Aキャピタルパートナーズ(MACP)が共同で進める「地域共創プロジェクト」。本連載では、MACP企業情報部の古澤凱斗さん(天童市出身・山形市立商業高校卒)が、データと実例を交えて山形の中小企業がとるべき戦略を解説します。
【vol.10】医療・福祉事業の倒産増とM&A——地域インフラを守り抜く成長戦略
(2026年7月掲載)
東京商工リサーチの調査によると、2025年度の「医療・福祉事業」の倒産は478件で過去最多を記録しました。中でも人手不足やコスト高により、小規模な社会福祉・介護事業者の倒産が目立ちます。身近な福祉サービスの淘汰は、地域社会にとって深刻な問題です。こうした中、強固な基盤を持つパートナーと提携し、サービスの維持と事業成長を目指してM&Aを決断した障がい者福祉企業の実例を紹介します。
堅実な経営基盤と次なる成長への模索
障がい者グループホームを複数運営するある企業は、細やかなサービスで利用者の支持を集め、全施設の単月黒字化にこだわり、堅実な経営を続けてきました。しかし、事業規模が拡大するにつれ、制度変更への対応や経営判断の重責が経営者にのしかかるようになりました。そして、より多くの人にサービスを届けるため、スピード感と規模感を求めて会社を飛躍させてくれるパートナーとのM&Aを決断しました。
熱量と理念の共鳴 強みを活かす提携
譲渡先に選んだのは、医療・介護・福祉事業を全国展開する大手企業です。譲受企業は、譲渡企業の徹底した収支管理やサービス品質の高さを評価。一方の譲渡企業も、相手企業が持つ熱量や、人生のあらゆるステージを支えるという事業ビジョンに強く共鳴しました。互いの現場の知見と豊富な経営リソースを掛け合わせることで、単独では難しかった新たな福祉サービスの展開を目指しています。
地域の福祉を守り 未来を拓く選択肢
医療や福祉業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、M&Aは会社を次の成長ステージへ進める有効な手段となります。質の高いサービスを持ちながらも経営資源に限界を感じる小規模事業者にとって、理念を共有できる企業と結びつくことは、利用者や従業員の未来を守ることにも直結します。地域インフラを持続可能なものとするため、経営者の皆さまには早期の情報収集から始めていただきたいです。
【筆者プロフィル】
古澤 凱斗さん:M&Aキャピタルパートナーズ企業情報部 主任
天童市出身。山形市立商業高校―明治大学商学部卒。大手証券会社にて富裕層・法人向けの資産運用・M&Aアドバイザリー業務を経験後、家業の事業承継を契機にM&A専門アドバイザーとして当社に入社。山形・東北を中心に、メーカー、商社、IT、自動車、観光業界など幅広い分野でM&A支援実績を有する。
【事業承継・M&A ご相談窓口】
山形新聞社広告局「地域共創プロジェクト」係
TEL: 023-622-5274 (9:00~17:00)
https://www.yamagata-np.jp/ad/macp/






