【連載】「山形の中小企業の M&A」vol.5【深刻化する人手不足 課題解決のM&A】

2026.06.09

「後継者がいない」「人手が足りない」。いま、山形県内の多くの経営者が抱えるこの悩み。その解決策として、M&A(企業の合併・買収)が当たり前の選択肢になりつつあることをご存じでしょうか。

山形新聞社とM&Aキャピタルパートナーズ(MACP)が共同で進める「地域共創プロジェクト」。本連載では、MACP企業情報部の古澤凱斗さん(天童市出身・山形市立商業高校卒)が、データと実例を交えて山形の中小企業がとるべき戦略を解説します。


【vol.5】深刻化する人手不足 課題解決のM&A~人材確保と事業成長の実現へ

(2026年4月掲載) 

帝国データバンクによると、2025年の人手不足倒産は427件で、3年連続で過去最多を記録しました。人件費の高騰や従業員の退職、採用難によるコスト増が収益を圧迫し、資金繰りの悪化を招いています。今後も人手不足関連の倒産が増加すると懸念される中、解決策として注目されるのがM&Aです。深刻な人手不足をM&Aによって克服し、事業成長へとつなげた電気設備メンテナンス企業の実例を紹介します。

採用難による人手不足をM&Aで解決
受変電設備の保守・点検を手掛ける企業は、確かな技術力で顧客から厚い信頼を得ていました。しかし、専門性が高く有資格者を要する業務である一方、若年層の応募は少なく採用難に直面。仕事の依頼は増加しても人員不足から案件を断らざるを得ない状況が生じていました。単体での採用に限界を感じる中、オーナーは社員の待遇維持や社名存続を条件に、課題解決の選択肢としてM&Aを決断しました。

理念を共有する提携 現場体制の強化と効率化
譲渡先に選ばれたのは、総合エンジニアリング事業を展開する大手企業でした。「技術サービス連邦」という構想を掲げ、似た価値観を持つ企業を結びつける方針を持っていたのです。両社は理念や文化の共有という前提で深く共鳴。M&A成立後、譲受企業からの出向や採用強化により現場体制に余裕が生まれ、これまで対応できなかった案件も受注できるようになりました。経営基盤の活用で、運営の効率化も進んでいます。

構造的課題を克服し成長を加速させる
専門性が高く人材確保が困難な業種において、M&Aは人手不足という構造的課題を克服する有効な手段となります。同じ理念を持つ企業と結びつくことで、人材確保だけでなく経営資源の補完や業務効率化など、幅広い効果を得ることが可能です。人手不足に悩む企業には、課題解決の選択肢の一つとしてM&Aの情報収集から始めてみてほしいです。

【筆者プロフィル】
古澤 凱斗さん:M&Aキャピタルパートナーズ企業情報部 主任
天童市出身。山形市立商業高校―明治大学商学部卒。大手証券会社にて富裕層・法人向けの資産運用・M&Aアドバイザリー業務を経験後、家業の事業承継を契機にM&A専門アドバイザーとして当社に入社。山形・東北を中心に、メーカー、商社、IT、自動車、観光業界など幅広い分野でM&A支援実績を有する。

【事業承継・M&A ご相談窓口】
山形新聞社広告局「地域共創プロジェクト」係
TEL: 023-622-5274 (9:00~17:00)
https://www.yamagata-np.jp/ad/macp/


この扉の向こうに、新しい山形を発見。